
結論から言うと、私にとっての老後の時間とは「未知との遭遇」である。
自分もそこそこ年をとり、この「老後」という言葉が気になる年頃になってきていた。自分にとっても丁度よいタイミングなので、今回は、真っ向から考えてやろうと思った。
まず、一般的な「老後」を調べてみることにした。
厚生労働省の調査で、何歳ぐらいから老後と考えるかについては 「70歳から」が32.8% 「65歳から」が28.5%とほぼ同じ割合になっているという。
更に興味深かったのが、同調査回答者の年齢階級別にみると、若い世代では「60歳から」の割合が多くなっているのに対し、高年齢層では 「75歳から」 「80歳から」の割合が多くなっているそうだ。1)
確かに自分も若い頃に聞いた「65歳…」と年をとった今聞く「65歳…」は明らかに捉え方も感じ方も違っている…、
確かに2,30歳代に比べたら今の自分、身体の衰えは否めないし肌艶も変わってきた。この変化を「老い」とするならば、この「老い」の後は?
そもそも私は自分自身の老後は幾つからそう思うのだろう…??
こんな思考も感覚もぶっ飛ぶ体験を今年の正月にしたのである。
それは1月5日に「さんま・珠緒のお年玉!あんたの夢をかなえたろかスペシャル」という番組を見た時のことだった。
この番組は、応募した人の中から選ばれた人の夢を叶える、という毎年の年始企画番組だそうだ。2)
偶然私がスポットで見たのが、おばあちゃんが木村拓也の(敬称略、以下キムタクとする)大ファンなのでキムタクと会わせてあげたいというお孫さんからの夢の応募だった。
そのおばあちゃん、30年続くこの番組の史上最年長で御年101歳、中華そば店ご店主さんだという。
サプライズ登場したキムタクに気づいた時や、キムタクのために作ったおばあちゃん手作り中華そばの感想を聞いた時の表情や仕草は、決して演出ではない、まるで少女のようにはにかむチャーミングな笑顔だった。
その表情を見た時、私は胸がキュンとした。
「75歳から」とか「80歳から」とか言っている場合じゃない!このおばあちゃんはバリバリ現役だ!
101歳から見たら、私なんぞ小僧っ子じゃないかっっ!
そう思った時、私のそれまでの「老後」にまつわるモヤモヤがぶっ飛んだのである。
お年を取られることで、テレビでは映されていない生活上のご苦労や、周囲のサポートは必要でいらっしゃるかもしれない。
でも自分の気持ちや感性まで「老いる」必要はないし、恋する気持ちやワクワクする感覚まで手放す必要は全くないのだ。
「老後」と検索すると、お金や健康などの不安要素が数多く出てくる。「老後」という言葉自体が不安を喚起する言葉になっているのかもしれない。確かに老後に対するイメージは、個々の状況や背景によって様々だろう。うん、確かにこれを書き始めた時の私は少なくとも「老後」という言葉にはよいイメージを持っていなかったかもしれない。
そこで自分の「老後」の視点を広げるため、今度は「老」という字で検索してみたところ、こんな単語を見つけたのであった。
老驥伏櫪(ろうきふくれき). 老いても昔と同じように大志を抱き続けること。3)
私にとっての「大志」は、よい祖先になることである。その軸はこれから年をとっても持ち続けていたい。
それを実現させるための行動は、小さく丁寧に、日々足元からの実践だと思っている。
睡眠、規則正しい生活、食事も仕事も腹八分目、よく笑い、時に心震わせて涙すること、辺りだろうか。
つまり私にとっての「老後の時間」は、この小さな積み上げの先にある「老い」という未知との遭遇であり、遭遇した「後の時間」という未知との遭遇なのである。
手始めに、今年のプロジェクトテーマ(?)としては、年始に出会った101歳の大先輩に習って「恋するココロを持つ」ことにしようと思う。
1)厚生労働省 「老後からは何歳からか」https://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/08/dl/h0805-1c.pdf
2)さんま・珠緒のお年玉!あんたの夢をかなえたろかスペシャルhttps://www.tbs.co.jp/yume-sp/
3)老驥伏櫪(ろうきふくれき)https://yoji.jitenon.jp/yojic/1051
(まりさん)

◆ステータス:プラクティショナー
「止まり木ファシリテーター」
◆プロフィール:
「働く」をキーワードに、産業・医療・福祉・教育の分野でカウンセラー(臨床心理士/公認心理師)として働いてきました。「働くことは生きることに繋がる」をモットーに、個人、集団、組織を支援させて頂いています。「半径2メートルの安心」をいかに提供できるか。これからも自分の在り方を模索してきたいと思っています。
―――
【ピョエ坊(ソジテツ広報)より】
ある問いに対する自分のことばをリレー形式で書いてもらうリレ哲。
ソジテツ(自分のてつがくを知る対話)は、ふつう・当たり前や、一般論、世間的な正しさではなく、ひとりひとりの中にある様々な「自分の考え・体験・価値観」を表現することを、大事にしています。こたえはきっと百人百様だと思いますが、それが素敵なことなんです。
これをご覧のみなさんも、良ければ「自分の考え・体験・価値観」で考えてみてくださいね。
▼動画で観よう!ソジテツ(自分のてつがくを知る対話)
「希望は(あなたの)人生にどう影響する?」
おしらせ
ソジテツは、どうしてもかなえたい夢をかなえるために、非常に大きな成長と変化の準備を進めています。しばらく更新がゆっくりとなりますが、毎日水面下で動いております。どんな姿となるか、しばらくお待ちいただければ幸いです。
Commenti